ネットワークビジネスの報酬プランバイナリーはメリットだけなのか?アップが言わない本音
ネットワークビジネスの報酬プランは様々な種類があります。稼ぐことが目的ですから、報酬プランも自分が気に入ったプランを選びたいものです。
ところが新しく登場するネットワークビジネスの報酬プランは、ほとんどがバイナリーです。バイナリーとは、1人が2人だけ紹介できるルールになっています。
システム的に見ても簡単に成功しやすそうな気がします。実際に私もバイナリーを採用しているネットワークビジネスの勧誘を何度か受けた事があります。
バイナリーネットワークビジネスをやっている人たちの勧誘トークは、「何もしなくても良い」「登録するだけでOK」「上から降ってくる」と言って興味を惹きつけています。これだけ聞くと、とても楽にビジネスができそうですが、しかしこれは本当でしょうか?
今回は、ネットワークビジネス歴20年以上の私がバイナリーについて解説していきます。
目次
ネットワークビジネス 報酬プラン バイナリーとは?
ハーバード大学の研究によると、ネットワークビジネスのディストリビューターが実際にビジネスメンバーをスポンサリングできる人数は平均2.3人だったというデータを発表しました。
このデータからネットワークビジネスの報酬プランの研究をして、生まれたのがバイナリーです。
バイナリープランにも様々な派生プランが存在しますが、現在1番多く採用されているバイナリーのルールは、1人が2人だけを紹介するルールとなっています。
もし、自分が3人以上紹介できるとすると、自分の直接ではなく2段目以降に付ける形になります。すると、2段目のポジションの人は何もしなくてもダウンが増えていくことになります。
自分のアップラインにどんどんスポンサリングできる強力な人がいればどんどん上からダウンが降ってきて、自分はビジネス活動をしなくても組織が拡大していきます。
報酬額の決め方の多くは、自分から見て左右のグループのどちらか小さい方のレベルに合わせてボーナスが支払われます。なので、左右ともバランス良く大きく拡大すればより多くのボーナスを獲得できるという仕組みになっています。
最近の傾向としては、バイナリーに様々な仕組みを複合させて、片側のラインだけ伸びても一定の収入が得られるように工夫された報酬プランが増えています。
ネットワークビジネスの報酬プラン バイナリーのメリット
新しく出来たネットワークビジネス会社のほとんどがバイナリーを採用しています。バイナリーのメリットはどんなものがあるでしょうか?
- 短期間で人が増えてグループが拡大する。
- 強力なアップが自分の下にダウンを付けてくれる。
- 製品が単品もしくは2、3つでシンプル。
- 製品の価格帯が低い。
- 毎月維持しなければならない条件が低い。
3つ目の製品が単品もしくは2、3つでシンプルは、意外なメリットだと感じるかもしれませが、ビジネスを始めたての頃はいろいろな製品があるとどれを紹介していいのか迷ってしまう場合があります。
また、製品が多ければその分製品知識も必要になりますので、シンプルなラインナップの方がビジネスをスタートしやすいと言えるでしょう。
ネットワークビジネスの報酬プラン バイナリーのデメリット
メリットばかりあるように見えるバイナリーですが、反対にデメリットはどんなことがあるでしょうか?見ていきましょう。
- 片側だけのラインが伸びると極端に報酬が低い。
- アップが下にダウンを付けてくれると思って参加する人が多いので、自ら行動しない依存体質の人が多い。
- バイナリーを採用している会社は設立から3年から5年くらいすると、下降または撤退する会社が多い。
- 新しいバイナリーの会社ができるとグループごと移動することが多い。収入が長期的に継続してもらえない場合がある。
- 勧誘の時に「登録するだけで収入がもらえる」など誇大トークが使われる危険性がある。
「アップがダウンをつけてくれるから・・・」とお誘いされ「何だか楽そうだな。」という気持ちでビジネスを始めた場合、その人も同じようなトークでリクルートをする可能性が高くなります。
そうなると、言葉は悪いですが、楽して金儲けというような考え方のグループができてしまうということが考えられます。
ネットワークビジネスは個人事業主です。自分から積極的に行動をおこしていくようなタイプの人が集まらなければ、強くて大きな組織にはならないでしょう。
ネットワークビジネスの報酬プラン バイナリーの実態とは?
バイナリーは、自分が直接紹介できるのは2人までというルールが決められています。自分のアップに強力な人がいれば、自分の下にもダウンをどんどん付けてくれます。
毎月1万円から2万円くらいの製品を愛用してさえいれば、自動的に収入が入ってくる。強力なアップからできるだけ近いポジションが取れれば、何もしなくてもお金が入ってくる。ラクそうに見えますが、本当にそうなのでしょうか?
日本流通産業新聞の2011年1月17日号によると、新しく設立されたネットワークビジネス会社の約8割はバイナリーを採用しています。バイナリーはそれだけ人気の報酬プランと言えるでしょう。
しかし、バイナリーの会社が設立されてその後どのくらいの実績が上がっているか?
同じく日本流通産業新聞のデータによると、約8割の会社が設立後5年以内に撤退か倒産していることが分かりました。
全ての会社が上記ように撤退か倒産するわけではないので、バイナリーが良くないとは言いきれませんが、報酬プラン別に見てみると、長く存続している会社の報酬プランは、ブレイクアウェイを採用しているとのことでした。
それでは、ブレイクアウェイが良いのか?
これも一概には言えません。なぜなら、ネットワークビジネスの歴史の中で最初に登場した報酬プランがブレイクアウェイなので、それだけ長い間ビジネス活動がされているからです。バイナリーが登場したのは1990年代に入ってからで、ブレイクアウェイは1950年代からあります。物事は時代とともに進化して最適化される歴史を辿っています。なので単純に比べることは難しいかもしれません。
バイナリーが良いのか?ブレイクアウェイが良いのか?
報酬プランだけで、ネットワークビジネスの善し悪しは判断できません。やはり、どれだけ継続してビジネスに取り組んだか?が成果を上げる鍵となるでしょう。
あくまでも、報酬プランはビジネスを継続していくために必要な条件であって、成功するための条件ではありません。ただ、自分が挑戦しているネットワークビジネスの報酬プランがどんなものなのか、メリットとデメリットは何かということは理解して、いつでも誰かに話せるようにしておきましょう。
私の経験では、何かをきっかけにこれからネットワークビジネスを始めようかな?と思っている方は、いくつかの会社を検討している場合が多いのです。
その時に「報酬プランなんてどうでもいいよ!とにかく私と一緒にやろう!」という情熱だけでなく、自分の会社の強みをきちんとお伝えすることも大切です。とくに、私のように自分の生涯の仕事としてネットワークビジネスを考えている人には効果的だと思います。
(2022年11月29日追記)
最近のネットワークビジネスの報酬プランはとても複雑になっています。
一昔前のように、シンプルで計算してすぐに金額がわかるタイプではありません。古くから存在する大手のネットワークビジネスでも時代に合わせて報酬プランを進化させていています。
ブレークアウェイか良いのか?バイナリーが良いのか?など現場ではいまだにこのような論争がされていることがありますが、もう意味がないかもしれません。
どのネットワークビジネスが良いのか?その要因は報酬プラン以外のところに移っているようです。
まとめ
・バイナリーは1人か2人だけ紹介できるルール。
・バイナリーのメリットは、アップに強力な人がいるとダウンを自動的に付けてくれる。製品がシンプル。製品が低価格。
・バイナリーのデメリットは、片側のラインだけ伸びると報酬が低い。上からダウンが降ってくると思っている依存体質の人が多い。会社が早期に撤退、倒産している
・バイナリーだから優れているわけではない。ネットワークビジネスの成功はどんな報酬プランであっても継続が大切だ。
・自分が挑戦しているビジネスの報酬プランの内容、メリットやデメリットは、いつでも誰かに話せるように準備しておきましょう。